起立性調節障害で受診される方へ
起立性調節障害(Orthostatic dysregulation、以下OD)は、自律神経が関係する疾患です。
10代に多く、決して怠けているわけではないのに、朝、起きたくても起きられない、学校に行けないなど、日常生活や思春期の心身に大きな影響を及ぼす疾患です。
最近では感染症による隔離生活での運動不足やメディア依存による生活リズムの後退、睡眠時間の不足、塩分・水分摂取の不足が悪化因子と言われています。
当院にもODを疑い専門外来へのご相談が増えていますが、まずはかかりつけの先生へご相談下さい。
当院長は小児科・小児循環器専門医ですが、ODの専門家ではありません。特別な診断や指導はしておらず、あくまでも一般的な対応方法をご提案しています。
また、現在は外来の逼迫や心疾患の患者さんの対応もあり、大変申し訳ありませんが新規でお受けすることが難しくなっています。
症状が重い場合、ご本人やご家族のご心配や焦りは計り知れません。本人も頭ではわかっているのに、体がついてこないので、自己肯定感の低下など、辛い病気でもあります。
そこで、受診する前にできることを、少しずつで良いので実践することをおすすめします。
ODは薬物療法よりも生活習慣の見直しが大変有効な疾患です。
まずは「3食しっかり食べ、水分をしっかり摂り、日中は起きて活動し、夜は8時間以上寝ること」を目標に、一つずつ、少しずつ取り組んでみて下さい。ご家族のサポートも大変重要です。
「学校に行くこと」は目標としてお勧めしません。
家でも日中起きていられる時間を有効に、家事のお手伝いや授業に沿った学習を進めて下さい。
先日開催した勉強会の資料を添付いたしますので、お家でできることの参考にしてみて下さい。